■ はじめに
2000年(平成12年)2月1日、ベルマーレ平塚は湘南ベルマーレとして新しいスタートを切りました。ここでは、チーム名を「湘南」に改名した理由についてベルマーレ平塚市民応援団が解説します。
■ 改名した理由
情報筋によると、昨年(1999年)末、株式会社湘南ベルマーレから関係者へ以下の通達があったとのことです。
平成１１年１２月２２日
関係各位
株式会社 湘南ベルマーレ
代表取締役会長 河野 太郎
代表取締役社長 小長谷 喜久男
「株式会社湘南ベルマーレ」正式発足のお知らせ
拝啓 歳末ご多忙の折、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。目頃は当クラブに温かいご支援を賜り誠に感謝申し上げます。
皆様もすでにご承知のとおり２０００年からは、現運営会社より業務を引き継ぎ「株式会社湘南ベルマーレ」として更なる発展を目指し出発します。そして、昨日Ｊリーグ理事会の承認をいただき正式に発足し、本格的に活動を開始いたします。
−中略−
会社概要
−中略−
□ ホームタウン
平塚市を中心とする周辺の湘南地域
平塚市・藤沢市・茅ケ崎市・小田原市・秦野市・厚木市・大磯町・二宮町・寒川町の湘南エリアの市町村
（順次拡大予定）
−後略−
「平塚市を中心とする周辺の湘南地域」、これが言いたいために「平塚」から「湘南」に改名したのです。株式会社湘南ベルマーレは、その筆頭株主が平塚市(行政)である限り、未来永劫、ホームタウンの筆頭を平塚市にしておくでしょう。それは、湘南の中心は平塚市である、と言いたいからです。すなわち、平塚市(行政)はベルマーレを、平塚市が湘南の中心であると吹聴するための広告塔として利用している、ということです。ベルマーレは元々平塚市のものだ、という腹の根も「平塚市を中心とする」という言葉に現れています。
■ 解説
この理由を理解するために、まず、株式会社湘南ベルマーレの構成について説明します。株式会社湘南ベルマーレの主な構成要素は、
- 会長 河野太郎氏
- 筆頭株主 平塚市(行政)
- 平塚市(行政)に近い筋
- 「湘南」と称する他の地域の自治体
です。以下、順に簡単に触れていきます。
会長 河野太郎氏
2000年1月22日付けの朝日新聞第2神奈川面では、「始動2000年総選挙」と称して神奈川県内の各選挙区の立候補予定者について触れています。平塚市を含む15区の河野太郎氏(株式会社湘南ベルマーレ会長)については、
保守層だけでなく、昨年末、サッカーチームの経営をフジタから引き継いだ新会社「湘南ベルマーレ」の会長に就任したことで、若者層への浸透も狙う。
としています。言い換えれば、株式会社湘南ベルマーレの会長に就任したのは選挙のためだ、と理解できます。このように解釈するのが、一般市民として極めて自然な感覚かと思います。ただのボランティアととらえるのは、このご時世にずいぶんおめでたい考えと言わざるを得ません。仮に、一票欲しさの下心が微塵もなかったとすれば、選挙のことも考えろと「河野党」の長老あたりから、逆に文句が出るところでしょう。
筆頭株主 平塚市(行政)
言わば「湘南」に魂を売った自治体。平塚ケーブルネットワーク参照。
平塚市(行政)に近い筋
1994年Jリーグ(現J1リーグ)昇格時に、平塚市にベルマーレという「湘南の看板」ができると喜び勇んだ、集票能力に長けた集団。
「湘南」と称する他の地域の自治体
地元の有力代議士に頼まれれば、はんこくらい押すでしょう。
以上のような利害が一致し、ベルマーレ平塚は消滅したのです。
■ 提言
では、ベルマーレを真に湘南地域のものとし、地域の一般市民の間に根付かせるためにはどうすれば良いのでしょうか。それは、ホームタウンの表記を、
ホームタウン
厚木市・伊勢原市・大磯町・小田原市・寒川町・茅ケ崎市・二宮町・秦野市・平塚市・藤沢市(五十音順、順次拡大予定)
にすればよいのです。
仮にJリーグの方針でホームタウンの中心を記述しているというのであれば、フジタが撤退を決めるやいなや、会長と市長が押っ取り刀でJリーグチェアマンを訪ねて、湘南への改名を懇願したときのように、表記の仕方を改めてもらえるようにお願いすべきでしょう。それをしないということは、ベルマーレの存続のために「湘南」に改名したというのは詭弁で、構成する自治体には「格」の違いがありかつ湘南の中心は平塚市だ、と言いたいのだと理解せざるを得ません。
■ おわりに
少年少女に夢を、という振れ込みとは裏腹に。
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